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SUZURI People というサービスに参加させてもらっています。
 (Click!) 

月額500円のファンクラブのようなサービスです。
(価格は今後、選べるようになるかもしれません。)
なかなか制作活動だけで生活していくのは難しいことです。
こうした長い目で支援してくださる方と繋がることができるのは嬉しいことです。
10年前には想像しにくかったことだけれど、これから活動を始める人たちにとってはこれが基本になっていくんだろうな。

このHPはあくまでもプラットフォームとして、初めて知る方向けの場所になっていくと思います。
今のところ、日々のドローイングをHPよりも1作品ずつ早く公開することに加えて、短い文章を添えています。
ちなみに、本日7/7のドローイングはお試しにすべての人に公開しています。 (Click!) 

今後はグッズや各種イベントの割引などの特典を考えています。
その他の情報も最初にお知らせするのはSUZURIで行っていくつもりです。
ご参加お待ちしています。
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人生何とかなるものだ。
搭乗手続きに十分間に合う時間に成田に着いて、ぼくは安心しきっていた。
「大変だったんですよ、ほんとバカですよね」なんて話す自分を想像しながらカウンターに向かう。
実は少し汗ばんだ手に気づかれないようにパスポートを差し出す。

「お客様、片道でのご予約のようですが、お帰りはどうなさるご予定ですか?」
「帰りはこの便で。行きのフライトを逃してしまって…。」
「こちらの往路の便に搭乗されなかった場合、復路もキャンセルされている可能性がございますが。」
「……………………は?」
「お帰りが決まっていないお客様は残念ながら搭乗できないのですが。」
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慌てて元々乗るはずだった航空会社のサポートセンターに電話をする。
愛想のない男性が、淡々と対応する。
「行きの便に乗らなかったからと言って、帰りの便がキャンセルになるということはございません。」
念のため、予約番号を何度も確認する。
予約ページを見せるためもう一度カウンターに向かう。

「確認は取れましたか?」
「はい。とりあえず予約ぺ…」
「あ、結構ですよ。」

え、口頭でいいの?
拍子抜けしながらも手続きが終わり、搭乗ゲートに向かう。
突然空腹に気付いて、何か食べようと思うけれど、飛行機代が余分にかかっていることが気になってお店に入る気になれず、コンビニで簡単に済ます。
緊張しながら保安検査、出国審査と終わり、飛行機に乗り込む。
6時間ほどを無駄にした。本当ならもう台北に着いている時間。
まだ何か、あるんじゃないか。不安が全然なくならない。
でもとりあえず飛行機は飛んだんだ。
ようやく、これで本当に、笑い話にできるんだと無精髭の頬を撫でながら眠る。
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ちなみに、帰りの便の搭乗手続き。
びっくりした顔で色々聞かれました。
どうやって来たのか、どこの会社なのか、電話で問い合わせたのか。
いや大丈夫だけど、ウソでしょ?みたいなことを言いながら、
他の人に聞きに行ったり、電話でどこかに問い合わせたり。

台湾でのことよりも、フライトのトラブルがメインのような旅で、
きっとこれから先ずっと、笑い話として話し続けることになるんだろう。
いつか誰かを笑わせるのに、落ち込んでいる人を慰めるのに、使えたらいいなと思う。
色々あるけどそれでも、人生何とかなるものだよ、って。
台湾に行って来ました。
自業自得ですが、色々とあり過ぎました。
少しずつお伝えしていきます。
これから行くという方の参考にでもなれば。
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今回は格安航空。羽田を早朝に発つ。
始発でも間に合わないので、前日の23時頃に羽田に到着して朝まで時間を潰す。
国際線ターミナルは1Fから3Fまでかなりのベンチがあり、たくさんの人がそこで休んでいる。
眠るとも眠らないとも言えないまどろみを耐え抜いて、朝4時頃に搭乗手続きに向かう。
パスポートの提示を求められて差し出す。なぜか係員の顔色が曇る。

「あの…お客様…こちらのパスポート、期限が切れているようですが…」

「……………………は?」

そうして返されたパスポートには、高校の修学旅行で中国に行った頃の高校生の自分が写っている。
終わった、そう思った。ぼくの旅は始まることもなく終わったんだ。
1時間で家まで帰って戻ってこれるはずもない、誰かに頼めるものでもない。
羽田から出る始発の電車まであと一時間半。それまで何もできない。
ただ乗るはずだった飛行機を見送るだけだ。ぼくの人生はいつもこんなだ。
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肩を落としてベンチまで戻り、冷や汗が乾き、引いた血の気が戻ってきて、冷静さを取り戻した頃にふと思う。
お昼の便なら間に合うのでは?
そして、ぼくはその日の航空券を検索した。

11:50成田発。15,000円。これだ。
家に必ずパスポートがある確信はない。でも行くしかない。
成田行きのバスも予約する。
もしも間に合わなければ、これ以上お金は払えない。
合計4万近くが無駄になる。
すがるように祈るように赤い電車に乗り込む。
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思っていた通りの場所に隠れていたパスポートをカバンに大事に入れて、ぼくは電車に飛び乗った。
予約したつもりのバスよりも、なぜか20分も早いバスを予約している。

なんでこんなにダメダメなんだろう。
そんな思いがむくむくと頭をもたげるのを必死でやり過ごす。
予想外の状況でも、次の手を打つことができている自分を必死に自分で褒める。
飛行機に乗れれば。とりあえず行くことだけできれば。
今日会う約束をしている人に会うことさえできれば。
全部きっと笑い話になる。

少し遅れ気味に東京駅に着いた電車を飛び降りバス乗り場を目指す。
インド人と思しき女性がバスの運転手と何か話している。
よかった、間に合った。
朝から何も口に入れていないことを思い出して、近くの自販機で炭酸水を買い、バスに乗り込む。
ひどく疲れた。成田まで約一時間、しばしの休息。

(つづく)