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この世界には反応と配列しかない。

例えば「しろくまと少女」という組み合わせ。
その言葉に反応して物語は始まって、
動かしようのない線を紙になぞったら、
動かしようのない色を乗せるだけ。
いつか見た夕焼けの橙と花の紫。
誰かが作ってくれた紙と鉛筆と絵具と筆。
たまたま家の蛇口から出てきた水。
ぼくは全身を道具にして、彼らを並べ替えるだけ。

もう自分からは何も出てこないんじゃないかと思う。
日なたで乾かしたカラカラのぞうきんみたいに
どこをどう絞っても一滴も水は出ないんじゃないかと。
でも本当は何ひとつ絞り出す必要なんてないと気付く。
常にどこかから水は湧き出している。

この世界には反応と配列しかない。
それを思い出すとき、ぼくはどこにでも行けるし、何にでもなれる。
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You are everything I found

君しか見つけられない
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"狐と少女とナイフ"

その村の娘は短刀を肌身離さずに持つ。
薔薇は棘を持たねばならぬ。
少女は花を摘み肉を裂き、痛みと治癒を知る。

十の年が明けたら少女は子狐を飼う。
親狐は少女自ら屠る。
少女は子狐に、主を片時も離れず守るよう教え込む。
もしその務めを果たせぬ時は、敵の手にかかる前に主の喉を噛むことをその心に置く。
狐は少女に命の美と醜を教える。